【日大通信】国語音声学(M31400)課題1 2019~2022年度
「国語音声学」分冊1の合格リポートでございます。
「日本語の母音と子音について、適切な記述がなされています。」との講評を頂戴し、S評価を頂きました。
課題:以下の(1)~(5)について,番号順に記述しなさい。
(1 )調音的観点に基づくと,日本語には母音とも子音とも分類しがたい音声がある。
それはどのような音声か該当するものを音声記号で示し,その理由を示しなさい。
(2 )機能的観点からみた場合,(2)で取り上げた音声は母音あるいは子音のいずれかに分類される。機能的観点の説明と,母音または子音と分類される根拠について説明しなさい。
(3 )一方,(3)の観点を導入すると,日本語には都合のよくない例がある。その具体例を,音素記号で示しなさい。
(4 )(3)の例を音声記号ではなく,音素記号で示すよう指示された理由は何か。
具体例を挙げながら,説明しなさい。なお,具体例は音声記号とともに記し,教科書に掲載されていない単語を挙げること。
(5)使用した参考文献を末尾の一覧に示すこと。
少しでも皆様のお役に立てましたら幸いです。
レポート執筆がんばって下さいね!
(1)音声の生成には、呼気・発声・調音という三つの大きな要素が認められる。これに即して音声器官を大別すると、肺臓が呼気の生成に、咽頭が発声に、咽頭より上の諸器官が調音に、それぞれ関与している。
母音調音時の声道には、気流を阻害する顕著な狭窄が存在せず、その音色は声道全体によって決定する。一方、子音調音時には、声道中のどこかに顕著な狭窄ないし閉鎖が存在し、そこで何らかの音が発生する。妨害がどこで行われるか(調音の場所)、どの様にして作られるか(調音の方法)によって子音の種類が決まる。
つまり、肺から出される声あるいは息が、口腔内で各種の調音器官によって妨害されるか否かが、母音と子音とを分類する調音的特徴と言える。
(2)半母音であるヤ行音の[j]及びワ行音の[w]は、母音とも子音とも分類し難い音声である。
これらは母音と同様にして生成されるが、何れも調音器官による呼気の流れへの妨げが若干見受けられる。[j]は硬口蓋接近音、[w]は両唇・軟口蓋接近音だ。
音響的性質としては、[j]は母音の[i]、[w]は母音の[u]と似ているが、[j]や[w]の場合は、母音の様な1拍分の長さは無く、速やか...