『算数科教育史の歴史(黒表紙教科書、緑表紙教科書、水色表紙教科書、単元学習、現代化、ゆとり)について述べ、それらの教育内容を自分の視点で考察せよ。』
算数と実生活との結びつきが、明治時代から続く問題である。日常生活との結びつきが強く表れる時期と抽象的な面が強く表れる時期が繰り返されてきている。戦前においては、国定教科書として「黒表紙教科書」が登場し、それまで多様だった教育内容が画一化され、国定教科書は戦前の算数教育を永く支配し、国家統制を強力なものにした。しかし、子供を主体とせず、計算技術と数量の知識を授けるための訓練・注入的な指導法を中心としていたため「教育改造運動」が起こった。これを経て、数理的な思想を養い、日常生活の数理的訓練を重視し、子供の自発的な活動を主とする指導法をする「緑表紙教科書」の時代へ。そして、水色表紙教科書の時代に入る。水色教科書は、国民生活に必要な知識・技能の獲得、数理的処理の習熟を目指した。そして、戦後においては、生活の重視による科学的能力の育成を目指した「生活単元学習」が行われる。これは日常の色々な現象に則して、数・量・形の観念を明らかにし、現象を考察処理す...