八洲学園大学2019年春期に作成したレポートです。
丸写しはせず,参考資料として使ってください。
評価はAでした。
「丁寧に展示を観察し,標本の作製と保存について言及したことがよかった」とフィードバックがありました。
昆虫館における甲虫の乾燥標本の作成・取り扱いの考察
博物館資料論レポート
1.はじめに
日本の子どもたちを熱狂させている昆虫。1990 年中頃に,甲虫(主にクワガタ)の幼虫
を菌糸ビンで飼育する方法が開発されてから,大型個体のブリーディングが容易となり,国
内流通が活発となった。また,平成 17 年に TVアニメ「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説」
が放送され,子どもたちや親世代の関心はより高まった。
私自身も仕事で昆虫に関わることが多く,関心の高さから,つくば市にある『昆虫館』を
レポートの見学先として選んだ。以下は,博物館資料論における観点から,カブトムシ・ク
ワガタムシの乾燥標本に着目し,標本の取り扱い方法や展示されていた資料について考察し
ていく。
2.昆虫標本の目的
昆虫標本は,特に分類学的研究に耐えるよう保存処置をした標本である。昆虫は外骨格が
発達しており、乾燥させるだけで数百年以上研究の実用に耐えることや,乾燥処理で色が変
わらないことが多く,保存性が高い。
昆虫標本を作る目的は,学術的な研究材料として保管する他に,希少であったり,芸術的
観点から美しいと...