第7回
細胞分離・調整法
実習日 2007/05/31
目的
ヒトの抹消血より、単核球と赤血球や顆粒球との比重の違いを利用して単核球を分離し、回収率を求める。
原理
単核球が赤血球や顆粒球よりも比重が軽いことに基づいている。赤血球や顆粒球よりも比重が軽く、単核球よりも比重が思い分離液に抹消血を重層し、遠心することで赤血球・顆粒球と単核球を分離する。
器具
15ml遠心管
50ml遠心管
パスツールピペット
試験管たて
遠心機
顕微鏡
コマゴメピペット
注射針(21G)
血球計算板
カウンター
方法
《採血》
ヘパリンナトリウム0.1ml入り真空採血管を用いて静脈血を5ml採血した。
細胞分離用比重液3mlの入った15ml遠心管に血液をスポイトで静か重層した。
遠心機にて400×gで20分間遠心した。
《細胞のカウント①》
遠心した血液のあまり10μlとチュルク液90μlとを混和し、血球計算板にのせた。
大区画2個に含まれる白血球数を計測し、平均した。
《分離と洗浄》
遠心後、パスツールピペットで単核球層を採り、滅菌PBSを20ml入れた30ml遠心管に移した。
転倒混和し、1500rpmで5分間遠心した。
《細胞のカウント②》
デカンテーションで上清を取り除き、クリーンベンチで10%ウシ胎児血清(FBS)添加RPMI1640を1ml加え、パッピングにより細胞を浮遊させた。
トリパンブルー液90μlに細胞浮遊液10μlを加えてよく混ぜ、血球計算板にて生細胞数を数えた。大区画2個を計測し、平均した。
細胞数カウント①および②で得られた細胞数を計算し、各組の単核球の回収率を計算した。
結果
大区画一個中には以下の数の細胞が確認できた。
細胞数カウント①(全血):77.5個
細胞数カウント②(単核球層):26.9個
よってそれぞれに含まれる単核球数は以下のようになる。
細胞数カウント①(全血):7,750/μl
細胞数カウント②(単核球層):2,690/μl
※血球計算板の大区画の容積は0.1μlである
全血5ml分を遠心し、細胞浮遊液を1mlにしたものを測定しているので単核球の回収率は
(2,690×1×103) / (7,750×5×103) ×100=6.94%
考察
単核球とは、円形に近い核を有する白血球という意味で、リンパ球と単球の総称である。リンパ球は白血球中のうちの25~45%程度、単球は4~7%程度を占める。よって単核球層からは、全血で得た白血球分画全体の数の30~50%程度の数の血球回収率が見込まれる。しかし実際の回収率は約7%と、非常に低いものになった。これには①全血を分離液に重層する際に、細胞数カウント用としての血液を残しすぎた②単核球層を採りきれなかった③分離液を吸い込んでしまった④パッピングが不足し、細胞が浮遊しきらなかった、などが考えられる。
また単核球層の細胞数カウントを行う際にトリパンブルー液を加えるのは生細胞と死細胞を区別するためである。トリパンブルー液は細胞に傷があると取り込まれ、その細胞を青色に染色する。このため死細胞は青色に観察される。
課題リンパ球を用いたHLAタイピング検査法について述べよ。
一人の人間はHLA-A、B、C、DQ、DP、DRのそれぞれに二つの抗原を持つ。種種の変異体抗原のうち、どの二つを持つかを決定することをHLAタイピングという。
(1)HLA抗原系の検査は移植の成否決定のほか、HLA抗体を産生した血小板輸血無効症患者に対するHLA適合血小板供給、疾患の感受性、人類遺伝学、親子鑑定、輸血副作用
第7回
細胞分離・調整法
実習日 2007/05/31
目的
ヒトの抹消血より、単核球と赤血球や顆粒球との比重の違いを利用して単核球を分離し、回収率を求める。
原理
単核球が赤血球や顆粒球よりも比重が軽いことに基づいている。赤血球や顆粒球よりも比重が軽く、単核球よりも比重が思い分離液に抹消血を重層し、遠心することで赤血球・顆粒球と単核球を分離する。
器具
15ml遠心管
50ml遠心管
パスツールピペット
試験管たて
遠心機
顕微鏡
コマゴメピペット
注射針(21G)
血球計算板
カウンター
方法
《採血》
ヘパリンナトリウム0.1ml入り真空採血管を用いて静脈血を5ml採血した。
細胞分離用比重液3mlの入った15ml遠心管に血液をスポイトで静か重層した。
遠心機にて400×gで20分間遠心した。
《細胞のカウント①》
遠心した血液のあまり10μlとチュルク液90μlとを混和し、血球計算板にのせた。
大区画2個に含まれる白血球数を計測し、平均した。
《分離と洗浄》
遠心後、パスツールピペットで単核球層を採り、滅菌PBSを20ml入れた30ml遠心管に移した。
転倒混和し、1500rp...