「まちづくりの実践」を読んで

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    「まちづくりの実践」を読んで
    田村明氏が1999年に発表した「まちづくりの実践」には当時の日本全国の「まちづくり」の具体例に基づいて著者が主張する「理想のまちづくり」に関しての説明がされている本である。
    まず愛媛県五十崎町の河川の自然保護や榎の大木の保護などで成果を収めた「よもだ塾」の紹介をしており、「まちづくり」という言葉・意味・広がりなどの定義をしている。そして、理念と現実の乖離に注意して「『理念』を現実に変える試みが『実践』である」とした上で、鎌倉・柳川・小樽などの実践例を紹介している。これに続いて「地域の価値発見」と題して、自分の「まち」の価値を認め「まち」に愛着と誇りを持ってこそ、「まちづくり」は成功するとしている。そして発見した価値を「まち」に住んでいる住人によって創り出し発展させ、その価値を変化する時代に合わせることで見出した価値自体が高まる、と述べる。具体例として、妻籠の町並み保全・上勝町のツマ販売等が挙げられている。次に「まちづくり」の主体は市民であるということを紹介している。「どんなまちづくりでも、最初のひとりが実践行動をしなければ始まらない」(P125)とし、フラ...

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