公務員の政治活動の制限について
国民が広い意味で政治に参加することを国民参政といい、この国民参政の権利をさんせいけんという。
しかし、国民が主権者であるとはいえ、それは国民自らがすべての政治をおこなうべきことではないし、また、事実上不可能であるから、特定の者に政治をおこなわせることになるが、その者がおこなう「国政は、国民の厳粛な信託によるもの」である。このようにして公務に従事するものは、国民の意思に基礎づけられていなければならない。このことを具体化したのが、憲法の「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」という規定である。憲法にいう公務員とは、国または地方公共団...