2020年度、中央大学法学部通信教育課程の特殊講義2 第1課題です。A評価でした。
特殊講義2[福祉と女性]
第1課題
女性の人権の確立や男女の平等というグローバルな概念の実現は国際的な動きとなっている。日本においては、1999年に「男女共同参画基本法」(以下、同法という)が制定され、行きすぎたセクシズムを修正し性別の違いを超えた共生社会を目指すという志向を背景に、各人の能力と個性を十分に発揮できる社会の実現を推進している。
同法は、世界の趨勢と動向に比べて我が国の男女平等が種々の点で必ずしも進んでいるとはいえない状況であることを認識して、あらゆる分野で男女平等を推進するために作られたものであり、政策などの立案及び決定への共同参画、家庭生活における活動とその他の活動の両立を中心に「男女共同参画基本計画」を策定した。この基本計画では、多方面に渡る具体的施策として11項目があげられ、詳細な推進体制が掲げられている。
しかし、これらの基本計画のほとんどが原則論の羅列であり、具体的な数値目標や達成期限等の設定もなく、違反事例の指針や罰則規定も存在しない。いわば、道徳的規範であると言える。男女共同参画の社会的浸透には、社会制度・慣行の具体的な見直し、家庭生活での役割分担の...