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経営数字(計数)の分析
本稿は、財務諸表分析における主要な指標値について、「安全性」「収益性」「成長
性」という3つの観点を簡単に説明する。
1. 安全性の分析
企業の「安全性」とは、ここでは財務的な安全性を指す。それは「財務面から企業
の長期にわたる存続の基盤の状態」を表すものである。
企業は収益を獲得し続けなければならない。これは当然であるが、その一方で長期
的に存続する必要がある。しかも、いわゆる“現状維持”で存続するというのではな
く、
振が訪れるとしても、それらに対抗するための備え(蓄え)が必要である。
「不況抵抗力」という言葉がある。短期的な視点に立てば、まさにこの「不況抵抗
力」の“強さ”が、企業の安全性を表すものである。さらに、長期的視点によれば、
資金調達の手段・方法といった点も、企業の安全性を表すものである。
率(酸性試験比率)、③自己資本比率、④負債比率、⑤固定比率、⑥固定長期適合率、
などを用いることができる。
① 流動比率
流動資産
流動比率 =
流動負債
↑
※ 本稿では、「×100%」という記述を割愛する。
※ 数式横の「↑/↓」は、「↑:値が大きいほうが望ましい」「↓:値が小さいほうが望ましい」という意味である。
「流動比率」とは、「1 年以内に弁済期の到来する流動負債に対し、1 年以内に現金
化したり、費用化する流動資産がどの程度あるか」を表す指標である。端的に言えば、
、「短期の支払能力を知るための指標値」であ
る。この比率が高いほうが、支払能力が高いと判断できる。
「流動比率」は一般的に 200% 以上 が理想的とされている。しかし、業種業態に
よってこの値の平均値は大きく異なる。そのため、たとえ 100% 以下であるとしても
一概に問題があるとは言えない。
② 当座比率(酸性試験比率)
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当座資産
当座比率 =
流動負債
↑
「当座比率」とは、「1 年以内に弁済期の到来する流動負債に対し、当面の支払手段
となる現金、預金、短期保有の売買目的有価証券といった当座資産がどれだけ確保さ
れているか」を表す指標である。端的に言えば、「1 年以内に返済しなければならない
負債(借金)に対してすぐに現金化できる資産のつり合い具合」、「短期の支払能力を
知るための指標値」である。この比率が高いほうが、支払能力が高いと判断できる。
「当座比率」は一般的に 100% 以上
が理想的とされている。しかし、一概に「大
きければ大きいほど良い」というものではない。「当座比率」が大きすぎる場合、特に
現金や預金が大きすぎる場合、企業の財務活動が上手く機能していないか、何か別の
問題があることを意味すると言える。
「当座比率」が大きすぎたケース(実例)
平成 17 年 9 月 30 日付の 株式会社ライブドア が公表した財務諸表によれば、
同社の流動比率は 2,531.64% 、当座比率は 2056.34% であった(いずれも単体ベー
ス)。前述の判断基準からすれば、まさに異常値である。その直後の同社に関する
一連の出来事は、同社の経営活動に大きな問題があったことを証明している。
③ 自己資本比率
自己資本
自己資本比率 =
総資本
↑
「自己資本比率
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経営数字(計数)の分析
本稿は、財務諸表分析における主要な指標値について、「安全性」「収益性」「成長
性」という3つの観点を簡単に説明する。
1. 安全性の分析
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企業は収益を獲得し続けなければならない。これは当然であるが、その一方で長期
的に存続する必要がある。しかも、いわゆる“現状維持”で存続するというのではな
く、
振が訪れるとしても、それらに対抗するための備え(蓄え)が必要である。
「不況抵抗力」という言葉がある。短期的な視点に立てば、まさにこの「不況抵抗
力」の“強さ”が、企業の安全性を表すものである。さらに、長期的視点によれば、
資金調達の手段・方法といった点も、企業の安全性を表すものである。
率(酸性試験比率)、③自己資本比率、④負債比率、⑤固定比率、⑥固定長期適合率、
などを用いることができる。
① 流動比率
流...