法源とは、一般的に裁判官が裁判を行う際に、どのような法内容が適用されるかという基準となるものをいう。また、法の存在を知りたい場合に、何により何を見たらよいのか。この法の存在形式を「法源」といっている。法源は法を知るための手段である。これには大きく分けて制定法、慣習法、判例法、条理(これについては法源に含めるか争いがある。後述する)がある。
まずは制定法についてみていきたいと思う。我が国では成文法主義を取っており、条文の形をとり、文章で書かれている制定法が、法源の中で最も重要である。制定法とは、簡単に言うと、国会によって制定された「法」のことである。そのうち、国会の立法手続きによって制定された法のことを「法律」という。
もっとも、制定法では法律で大綱だけ定めておいて、法律の実施手続きや手数料などの細目は、法律が委任している場合がある。これは法律が委任した行政官庁が制定する。これには命令、条例などがある。命令には内閣の定めた政令と各省の定めた省令がある。あるいは、命令と同じ性質を持つものとして、最高裁判所規則、国会議員の議員規則や労働委員会の委員会規則、人事院の定める人事院規則といったもの...