【合格レポート】国文学5-近代 分冊1 平成29・30年度

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    合格レポート。
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     日本における自然主義文学の特徴についてまとめる。また『蒲団』の感想文を付記する。
     自然主義文学とは、明治三七年頃から明治末年にかけて全盛期をむかえた文芸思潮である。それは物質的、現実的、経験的なものに価値を認めた思潮で、自然科学の方法を遺伝の法則に従って、人生の現実を直視し、主観を交えず、客観的に描写しようとする方法。
     それは十九世紀後半にフランスを中心としておこった文芸思潮で、実証主義と科学的探求方法を文学に応用したものであり、ゾラやフローベルなどがその代表的作家であった。 
     西欧からの影響を受けた永井荷風や小杉天外によるゾライズムの提唱により、明治三〇年代に日本自然主義文学が興った。
     だが、日本型の自然主義文学は西欧のそれと比して社会性と科学性に欠けていた傾向が指摘されている。一般的には生の懐疑と倦怠、愛欲の描写が強調され、その結果現実の醜悪面だけが注目され、人間を矮小化し、無理想無解決の文学傾向に走ることとなった。この背景には明治四〇年代の強権政治によって、日韓併合や大逆事件などが引き起こされ、言論の自由が抑圧されるに至る経緯があったことを念頭に置かねばならない。現実生...

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