2016年合格ずみのレポートです。参考にしてください。
ソクラテスの教育観に注意して彼の教育学的意義について述べよ。
ソクラテスは「教育とは、適切な質問を行うことによって学習者が自分自身で知を生み出すようきっかけを与えることである」と考えた。そしてそれは「産婆術」を用いた対話で獲得できると説いたのである。このことについてソクラテスの教育観を軸に説明していく。
ソクラテスは前470/469年のギリシャのアテナイのアパロケ地区で生まれた。人一倍勇気と忍耐があり、40歳ごろから人間の探求へと熱を注ぐようになった。そしてアテナイの街頭や体育場などで対話の相手を捕まえては道徳や倫理の問題を討論していた。ソクラテスの基本的な考えは徳や善というものは人間が生まれてきた時から備わっており、その善悪は絶対的な基準があると考えていた。一方、当時アテナイの街で活躍していたソフィストと言われる職業教師たちがおり、彼らは青年たちに知識や弁論術を教えていた。その代表としてプロタゴラスやゴルギアスがよく知られている。彼らの考えを最も表現しているのが次の言葉である。
あらゆるものの尺度であるのは人間だ。あるものについては、あるということの、あらぬものについては、あらぬ...