アスペルガー症候群と介護殺人との関連についての考察

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    資料紹介

    アスペルガー症候群や自閉症、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害については、05年4月施行の発達障害者支援法に基づき自治体などが支援に取り組んでいる。しかしながら発達障害は本人自身や家族も気付きにくく、引きこもることで社会との関わりが希薄となりやすいことから、問題が顕在化するまでにタイムラグが生じてしまう。
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    ~アスペルガー症候群と介護殺人との関連についての考察~
    はじめに
    アスペルガー症候群や自閉症、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害については、05年4月施行の発達障害者支援法に基づき自治体などが支援に取り組んでいる。しかしながら、発達障害は本人自身や家族も気付きにくく引きこもることで社会との関わりが希薄となりやすいことから、問題が顕在化するまでにタイムラグが生じてしまう。こういった状況のなか、本件のように事態が悪化し両親殺害に至った経緯について考えていきたい。
    事例
    父母と3人で暮らしていた被告人A(以下A)が一人で母親の介護を続けてきたものの、その後母親が自宅内で凍死してしまったことから、その死体を自宅に放置していたところ、犯行当日、父親にこれを発見され叱責を受けたことに立腹し、父親を絞殺するとともに、父親と母親の死体をいずれも押入れ内に遺棄したという殺人事件。死体遺棄の事案について、Aはアスペルガー症候群に罹患していた可能性が高いものの、それが各犯行に与えた影響は本質的ではなかったなどとする精神鑑定の結果を踏まえ、心神耗弱の成立は否定する一方で、同疾患が各...

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