期末試験の解答の一例です。「競争主義」と「能力主義」に関して論じたものですが、設問が毎回違う可能性があるので、どうぞ参考としてご利用ください。
平成29年度 教育制度論 M-期末試験
「競争主義」と「能力主義」の原理にもとづいた教育制度改革を背景に、自治体においては「学校の
選択制」の実施が広がりを見せているが、この取組みに関しては様々な捉えられ方があり、見解が分か
れている。本レポートは、この取り組みに関して具体的に触れ、講義の内容をもとに、その長所と短所
について論じるものである。
「学校選択制」は、世界の先進諸国ではかなり前から取り入れられている制度である。アメリカにお
いては、保護者が子どもの通う公立学校を近隣地域内から選択・決定できる権利を有し、また学校は行
政機関からの制度的制約に縛られることなく学校の運営・経営を行うとされている。つまり、この制度
は教育の世界に導入された「競争」と「市場原理」であり、学校は教育に関わる質の発展・発達の実現
に努め、その結果に対して責任を問われるのである。日本ではこのアメリカの学校選択制度をモデルと
し、2000年に品川区で初めてこの制度を導入した。その年の品川区では、40校ある小学校を8か
ら12校の4ブロックに分け、この4つのブロックの中から...