中央大学 法学部 通信教育課程 2017年 西洋法制史  第2課題

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    問題

    ローマ法大全とローマ法がヨーロッパの法制にあたえた影響について考え記述しなさい。(なんらかの素材(契約など)をとりあげ具体的に考えることがのぞましい。)
    古代ギリシャには双務契約があり、古代ローマにはコントラクトゥスがあり、ドイツにはフェアトラークVERTRAGがある。この状態でこの3つを同じものと認識する人はいない。しかし、日本語訳でこれをすべて「契約」という言葉に置き換える。

    古代ローマ法は、初めは「一般的な契約」の思想を採らなかった。むしろ古代ローマ法は、何百年にもわたる歴史の中でいろいろな契約を特定のタイプと形式に対して与える訴訟という形で発展させた。ガーイウスの法学提要QAIINSTは、この発展過程の結果をよく知られている契約の図式で体系的にまとめようと試みている。要物契約・文書契約・諾成契約・言語契約の4つである。

    その原理によると、これらのカテゴリーに取り入れられた契約だけが訴えを起こせる。これらのタイプ以外の申し合わせは、給付を行った当事者にとって、給付した物をコンディクティオによって返還請求する可能性が認められているが、履行の訴えや賠償の訴えはなかった。ユ...

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