日大通信 地誌学  分冊Ⅱ

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    資料紹介

    問 東南アジアにおけるモンスーン地域について、その自然的特徴がもたらす影響をまとめること。自然現象だけではなく、人文・社会面との関係についても記述すること。
    キーワード モンスーン気候 アジア式農業 アジア文化

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    東南アジアの文明や風土と民族、地形は非常に変化に富んでいる。この複雑な地形の地域に多くの民族が移住したため、展開される歴史は多様なものとなった。東南アジアは大陸部と諸島部に分けられる。特徴といえば、何よりもみずみずしい緑に包まれた島々をちりばめる多島海であるが、単に地理的なものだけで区別するのではなく、ある種の共通項でも結びつけられる。国別にその歴史や地理、社会や文化の面に着目し、東南アジアを内部的にも区別することもできる。

    東南アジアの自然環境は大きく分けると大陸部のモンスーン気候地域と島などの赤道直下に位置する熱帯雨林とに分けられ、モンスーン地域では冬は乾いた気団によって乾季になり、夏は高温多湿で雨季になる。モンスーン地域であるミャンマーやタイ、カンボジア、ラオス、ベトナムでは土が見えるほどの疎林が広がり、1年のうち半分が乾燥のため、1年をサイクルとする草の世界が見られる。この中で人間が農耕生活をするために高緯度地方では数千年も前から狩猟採集や漁労を中心としてきた。そして後に照葉樹林帯を中心に雑穀類を主とした農耕が営まれ、18世紀以降に他の作物に遅れて東南アジアの主要河川沿いのデ...

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