日大通信 人文地理学概論 分冊Ⅱ

閲覧数1,891
ダウンロード数1
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員660円 | 非会員792円

    資料紹介

    分冊Ⅱ

    早くから、大都市ロンドンに集中する人口増に苦しんできた英国においては、都市とは、また都市に居住するとは何かといった課題に、国民の多くが強い関心を持ってきた。一方、わが国の都市研究者たちも、大正末から昭和初期にかけて英国を度々訪れ、この国の都市化への対応策を学び、日本独特の都市計画を追求してきた。そこで日英における具体的な当時の施策に関して説明すること。

    キーワード:田園都市 ニュータウン 郊外住宅 都市近郊

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    分冊2
    産業革命の発祥の地であるイギリスでは19世紀全般を通して著しい都市成長によって、労働者の居住地域は高密度であり、公衆衛生の悪化など環境面でも劣悪な状況にあった。こうした居住環境と伝染病発生を改善すべく、民間の人々が都市を変え、生活を変えようと新たな都市計画が動き始めた。

    エベネザー・ハワードの提唱によって田園都市運動が始まった。田園都市は住居と職場が近接し、その他の生活に必要なことは全てその都市内で行えるよう設計された自己完結型の都市である。ハワードは、このような田園都市が実現可能であることを詳細な建設方法と都市経営計画によって示し、1903年最初の田園都市としてレッチワースを完成させた。田園都市は、過密・過疎問題の解決策としては最も一般的であり、将来の理想的な都市を考える都市論の一つとしても田園都市が最適であるとされた。民間企業によって運営されたために、常に財政の問題が発生し、家賃も高く、富裕層しか田園都市に住むことができなかった現状もあったが、建設は果敢に進められていった。第二次世界大戦後になると、復興に加えて住宅不足解消の施策が重視された。過密地域からの分散政策の一環と...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。