『Engineering and the Mind’s Eye』

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    資料紹介

    夢を見ないという人は例外になるが、すべての人は自分の頭の中のイメージというものには馴染み深いだろう。多くの人は無意識のうちに、自分の言葉を用いない能力に頼り、実在するものや想像の中にのみ現れるもののイメージによって考えている。イメージを心に思い浮かべるという能力は広く受け入れられているものなので、だれかから自分は考えるときにイメージを使ったことは一度もないと言われると、多くの人は驚き、わずかに疑いの念を抱く。
    視覚による思考は、工学にはなくてはならないものである。工学の情報の大部分は、事実上現在の世界の技術者の共通語である視覚による言語によって記録され、送り届けられている。明確で詳細な図面の読み手に、描かれている対象を構成している要素の形や規模、相互関係を思い描くことを可能にする言語なのである。また、設計者が製作者に自分が何を組み立ててほしいのかを正確に説明している言語でもある。
    心の目とは、記憶している現実のイメージや思い描いたイメージがある場所で、信じられない能力と不思議さがある器官である。実際の目を通して入ってくるよりもはるかに多くの情報を集めて理解し、生涯にわたって視覚や触覚、筋肉や体内で感じること、聴覚、嗅覚、味覚などの感覚的な情報を蓄え、相互につないで関係づけている器官である。私たちは、ぶつかったり、殴ったり、触ったり、においをかいだり、落としたり持ち上げたりといった肉体的な相互作用を通してものごとを知るようになる。これらのすべての経験の権威者が心の目なのである。これによって私たちは自分が存在している現実の世界の感覚を作る。椅子の上にある布地を見たとき、私たちはそれに触ることなく、おそらくそれはなめらか(あるいは粗い)であるとか、しなやか(硬い)であるとか、保温性が良い(悪い)かを言うことができる。

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    『Engineering and the Mind’s Eye』
    Eugene S . Ferguson
    2-(1)
    夢を見ないという人は例外になるが、すべての人は自分の頭の中のイメージというものには馴染み深いだろう。多くの人は無意識のうちに、自分の言葉を用いない能力に頼り、実在するものや想像の中にのみ現れるもののイメージによって考えている。イメージを心に思い浮かべるという能力は広く受け入れられているものなので、だれかから自分は考えるときにイメージを使ったことは一度もないと言われると、多くの人は驚き、わずかに疑いの念を抱く。
    視覚による思考は、工学にはなくてはならないものである。工学の情報の大部分は、事実上現在の世界の技術者の共通語である視覚による言語によって記録され、送り届けられている。明確で詳細な図面の読み手に、描かれている対象を構成している要素の形や規模、相互関係を思い描くことを可能にする言語なのである。また、設計者が製作者に自分が何を組み立ててほしいのかを正確に説明している言語でもある。
    心の目とは、記憶している現実のイメージや思い描いたイメージがある場所で、信じられない能力と...

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