(2016)慶應通信総合科目「政治学(A)」で合格をいただいたレポートです。民主主義と共産主義の相違点がテーマです。
※レポート作成の参考としてご利用ください。合格を約束するものではありませんので、丸写しはご遠慮願います。
民主主義と共産主義の間には、大きく二つの視点における解釈の相違がある。
はじめに、「自由」に対する解釈が違う。民主主義において「自由」とは、個人の考え方や行動が、他者の意向に左右されることなく振る舞うことができる。国家権力に抑圧されることなく思考し、好きなときに好きなことをしても構わない権利を持つ。人間は個人として尊重され、不当な侵害を受けないよう保障されている。このことは「基本的人権」と表現され、これを尊重し、擁護され、人類普遍の原理としての自由な立場を認める。司法・立法・行政の三権分立が採用され、法によって社会秩序を維持し、権力の乱用を防ぎ、政治組織の基礎が築かれている。また、参政権によって国民が直接、政治運営に関わることができる。
対する共産主義は、完全な平等社会の実現によって「自由」が実現するとしている。そのためには労働者階級(プロレタリアート)が政権を獲得することが必要であり、やがては国家や政府、権限者さえも存在しない無政府状態が築かれることによって、真の「自由」を得ることができるとする。「自由」を求めるためなら、暴力を利用してでも、資産家階級(ブルジョア)を駆逐するこ...