1.実験目的
水銀ランプと水素ランプのスペクトルを観察し、その結果から波長や格子定数、リドベリ定数を算出する。また、実験を通して原子のエネルギー準位を理解する。
2.実験原理
原子が放出または吸収する光の波長は通常、とびとびの値をもつ。この現象を説明するために量子論が誕生した。
量子論によると、原子がとりうる状態として量子化条件といわれる条件を満たすものだけが許される。それによって、静止している原子がもつエネルギーも各状態に対応したとびとびの値 …をとる。この値がエネルギー準位である。
3.実験方法
・直視分光器による各光源のスペクトルの観察
直視分光器の採光窓を光源に向け、ピント、スリット間隔を調節してからスペクトルの様子をスケッチした。この実験では光源として水銀ランプ、水素ランプ、蛍光燈を用いた。
・分光計による各光源のスペクトルの観察
【準備】
分光計のそれぞれのネジを実験書の通りに調整して、コリメーターと望遠鏡の光軸を一致させ、回折格子の面を光軸に垂直になるように調整した。次に、望遠鏡の角度を にあわせてそれを回折角θの基準とした。
【測定】
望遠鏡と目盛板を連動させて、望遠鏡をのぞきながら回転させ、スペクトルを探し、その色と回折角θを観測した。光源には水銀ランプ・水素ランプを用いた。
【格子定数の決定】
d=1/600mmとして、各θに対してλを計算した。求めたλと対応する正確な波長と各θから再びdを計算した。
【リドベリ定数の算出】
上で求めた格子定数dを用いて水素スペクトルの波長を計算し、リドベリ定数を算出した。まず、dの平均値を使って水素スペクトルの波長と波数を計算した。波数から水素原子のリドベリ定数 を算出し、次にリドベリ定数 を算出した
実験目的
水銀ランプと水素ランプのスペクトルを観察し、その結果から波長や格子定数、リドベリ定数を算出する。また、実験を通して原子のエネルギー準位を理解する。
実験原理
原子が放出または吸収する光の波長は通常、とびとびの値をもつ。この現象を説明するために量子論が誕生した。
量子論によると、原子がとりうる状態として量子化条件といわれる条件を満たすものだけが許される。それによって、静止している原子がもつエネルギーも各状態に対応したとびとびの値 …をとる。この値がエネルギー準位である。
次にi番目の状態からそれよりエネルギーの低いj番目の状態に遷移するとき、周波数 の光が放出されその周波数は -(1)で与えられる。hはプランク定数である。水素原子に量子論を適用してエネルギー準位を計算すると、陽子と電子が完全に分離した状態を基準として
(n=1,2,3,・・・) -(2)となる。
ここで m は -(3)で与えられる。
放出または吸収される光の周波数は(1)(2)式より、
-(5)となる。
また、真空中の光速度をcとすると、真空中の波長λはc/νで与えられ、波長...