文部科学省認可通信教育
科目名:医学知識
課題1 老化について
私が20歳代の頃の「60歳」は、弱弱しい老人のイメージがあった。そういう私は今春60歳の定年を迎えた。まさに老化現象を我が身で感じている。自覚的な症状は、50歳代前半から老眼を感じるようになった。食事の量も若い時に比べて、減ってきている。また体力の衰えは年々自覚するところである。
WHO (世界保健機関) では,45歳以上を初老期 (女性は更年期) 、65歳以上を老年期 (高齢期) としているが、身体的・精神的な老化の進み方は個人差が著しい。一般に、環境の変化に対する適応性が減り、情緒的不安定、記憶力減退、知的機能の低下が生じ、周囲への好奇心が減少して、自己中心的な傾向が強くなる。
高齢者に多い病気は、次のようになる。①認知症②脳梗塞③肺炎④骨粗しょう症である。その他に高血圧や糖尿病といったいわゆる「生活習慣病」も高齢者に多くなる。高齢者の疾患に特徴的なのは、一つの臓器の機能障害だけではとどまらず、いくつもの臓器に及ぶ障害があることが多いことである。一つの症状だけにとらわれず、体全体を見渡した上での診療が必要とな...