Friedel-Crafstアシル化反応によるp-アセチルトルエンの合成

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    Friedel-Crafstアシル化反応による p-アセチルトルエンの合成
    <1.緒言>
    本実験の目的は、Friedel-Crafstアシル化反応により、トルエンと無水酢酸から p-アセチ
    ルトルエンを合成することである。IR、NMR の測定を行うことにより目的物質が得られて
    いるのかを確認し、収率、TLC の結果から純度などについても考察していく。
    反応機構についてだが、反応は無水酢酸が AlCl3と反応して求電子試薬であるアシルカチ
    オンを生成することから始まる。いったん生成したアシルカチオンは転位せず、芳香環の
    攻撃を受け、中間体を経てプロトンが引き抜かれることにより、p-アセチルトルエンが生成
    する。
    CH
    3
    (CH3CO)2O
    CH
    3
    CH3 O
    +
    (反応機構)
    C H
    3 C
    O
    O
    C C H
    3
    O
    AlCl
    3
    C H
    3 C
    +
    O O CH
    3CO AlCl3 +
    CH
    3
    C H
    3 C
    +
    O
    CH
    3
    O
    CH
    3
    H
    O CH
    3CO
    CH3
    CH
    3 O
    CH3COOH
    +
    +

    <2.試料・試薬の物性>
    物質名 化学式 M (g/mol) mp(℃) bp(℃) d(g/cm3) 性質・形状など
    トルエン CH3(C6H5) 92.14 -95 110 0.866 無色の液体、水に不溶
    水酸化ナトリウム NaOH 40.00 328 1390 2.13
    塩化アルミニウム AlCl3 133.3 192 181 2.41 水と爆発的反応
    無水酢酸 (CH3CO)2O 102.1 -73 140 1.08 水と反応して発熱
    ジエチルエーテル (C2H5)2O 74.12 -116 35 0.7134 無色透明、揮発性有
    硫酸ナトリウム Na2SO4 142.0 884 - 2.7 乾燥剤として有用
    p-アセチルトルエン C9H10O 134.78 - 226 1.01 無色透明、可燃性
    <3.実験と結果>
    装置を組み、アルカリトラップにはほぼ飽和の水酸化ナトリウム水溶液を 15 ml入れた。
    100 ml の三口フラスコには dry トルエン 15 ml と無水 AlCl3 を 8.0 g(60 mmol)入れ、アス
    ピレーターで吸引しながら滴下漏斗から無水酢酸 2.5 ml(27 mmol)を約 15 分間かけて滴下
    していった。滴下開始後、すぐに塩化水素と思われる気体が発生し、液体の色も徐々に赤
    色になっていった。すべて滴下し終わったときには色はさらに濃い赤紫色になっていた。
    また、AlCl3 はすべて溶けきらずに少し残っていた。次にフラスコをオイルバスに入れ、
    90 ℃で約 30 分間加熱した。加熱を始めると温度が 30 ℃になったところで白煙(塩化水
    素)が発生していた。
    加熱が終わったら、室温に下がるまで十分に放冷し、アルミニウムをクエンチするため
    クラッシュアイスが入った 100 ml ビーカーに液体を注いでいった。ここでも塩化水素が発
    生し、最終的には、褐色のトルエン層(上層)と白色の水層(下層)とに分かれた。液体
    を 300 ml の分液漏斗に移し、まずはエチルエーテル 20 ml と 10 % の塩酸 15 ml を入れた。
    よく混合して平衡状態になるようにし、有機層は別の容器にとっておいて水層を 20 ml の
    エチルエーテルで洗った。水層は廃棄し、とっておいた有機層を合わせて、今度は反応の
    副生成物として生じた酢酸を中和するため、10 % の水酸化ナトリウ

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    Friedel-Crafstアシル化反応による p-アセチルトルエンの合成
    <1.緒言>
    本実験の目的は、Friedel-Crafstアシル化反応により、トルエンと無水酢酸から p-アセチ
    ルトルエンを合成することである。IR、NMR の測定を行うことにより目的物質が得られて
    いるのかを確認し、収率、TLC の結果から純度などについても考察していく。
    反応機構についてだが、反応は無水酢酸が AlCl3と反応して求電子試薬であるアシルカチ
    オンを生成することから始まる。いったん生成したアシルカチオンは転位せず、芳香環の
    攻撃を受け、中間体を経てプロトンが引き抜かれることにより、p-アセチルトルエンが生成
    する。
    CH
    3
    (CH3CO)2O
    CH
    3
    CH3 O
    +
    (反応機構)
    C H
    3 C
    O
    O
    C C H
    3
    O
    AlCl
    3
    C H
    3 C
    +
    O O CH
    3CO AlCl3 +
    CH
    3
    C H
    3 C
    +
    O
    CH
    3
    O
    CH
    3
    H
    O CH
    3CO
    CH3
    CH
    3 O
    CH3COOH
    +
    +

    <2.試料・試薬の物性>
    物質名 化学式 M (g/m...

    コメント1件

    toyheart 購入
    参考になりました。
    2007/06/16 0:31 (17年6ヶ月前)

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