佛教大学M6115「日本文学史」の第1設題レポートです。合格済みです。レポートを書かれる際の助けになりますように。
上代、中古、中世、近世の文学の特質
日本の古典文学は時代の流れにより変化している。上代、中古、中世、近世、4つの時代の文学の特質をそれぞれの時代の特性を踏まえながら、それぞれの時代の作品を例に説明していきたい。
上代の文学
文学史での上代とは古墳時代初期から平安遷都までを言う。この時代、人々の生活は自然現象により左右されたため、その超人間的な力を神として祭った。その際、より美しい言葉で神に祈ることで願いが叶うとされた。それゆえ、祭りで使われる言葉は格調高く、表現が工夫され、このような口承の中から文学、口承文学(口頭による伝承)が生まれたのである。また、祭りの場での神に関する語り伝えが神話となり、祭りで神への祈りや感謝を歌にしたことから、それが親しまれ民謡となり、宮廷の儀礼などに使われる宮廷歌謡となり、古代歌謡も生まれた。
5世紀に入り、漢字が伝わったことで、文学は大きく変わった。漢字を表音漢字として使う万葉仮名などの表記法ができ、これにより、神話や歌謡が文字によって書きとめられるようになった。そんな中、大和政権が氏族を皇室の配下に位置づけるために史書を作ることを命じ、8世紀末に『...