佛教大学の英米文学概論(P6101)、第2設題のリポートです。
2017年3月にB判定の結果をいただいております。
エマスン、ソロー、ホイットマン、ジェイムズ、ドライサー、
フロスト、パウンドについて述べなさい。
エマスン(1803-1882)は牧師の子供として生まれ、苦学して学業に励んだ。結婚して1年半ほどで妻を亡くすという不幸に陥るが、32歳の時に再婚してからは運が向き、『自然論』を出版した。この本には真理は経験を超えた直感によって把握されるとする彼の超絶主義の思想が述べられ、西洋文明の伝統やアメリカ宗教の伝統からも自己信頼をもって独立できると説いた彼は、自然は思想の化身であり、神の意志の現れととらえていた。また、アメリカの知的独立宣言書といわれる「アメリカ人類学者」という演説を通して、学者の義務として「自己信頼」を説いた彼は、一貫して西欧や自国の過去の作品にとらわれることなく、独立したオリジナリティーを求めた。講演者として高名であったエマスンは、44歳のときに詩集を出し、一流詩人としても認められた。エマスンの説く超絶思想というのは一見難しそうにも見えるが、どのような悪いことをしても償いによって救われるという楽天思想がその中にあったため、広く一般の人から求められたのである。ワーズワスやコール...