佛教大学の英米文学概論(P6101)、第1設題のリポートです。
2017年3月にA判定の結果をいただいております。
『ベイオウルフ』、チョーサー、スペンサー、ダン、スウィフト、ブレイク、テニスン、ワイルド、フォスター、モームについて述べなさい。
『ベイオウルフ』はイギリス最古の叙事詩であり、ホメーロスの詩と同じく、語られるための詩であった。ゲルマン民族の異教精神とキリスト教精神が融合した英雄詩で、8世紀には完成していたと考えられている。デンマークの首都であるコペンハーゲンがこの詩の舞台で、内容は、国王の甥であるベイオウルフが、怪物のグレンデルを倒した後に王となるが、老王となって火を吐く竜を退治した際に自らも悲愴な死を遂げるというものである。この叙事詩は「おお、われらは、そのむかし、槍で名高いデネの王たちの、輝かしいおこないと、いかに、これら王君が武勇のわざをなしとげたかを、伝え聞いてきた。」と始まる序歌のあとに、43の「詩歌」があり、合計44の歌で語られる。
チョーサー(1343?―1400)はロンドンに生まれ、官僚として働いた。父の酒店にヨーロッパの酒商人たちが訪れることから彼らと接触することが多く、国際情勢にも通じる官僚であった。彼の文学活動には2つの時期があり、フランス文学期では中世後期...