日本大学通信教育、平成28年度、英米文学概説の期末レポートです。私はこのレポートでS判定を頂きました。丸写しはせずに、参考程度におご使用ください。
参考文献
諏訪部浩一(2013)『アメリカ文学入門』三修社.
米山正文(2015)『文学に見る人種偏見』エモーション・スタディーズ.
荒井健二郎(1993)「ジェイムズ・ボールドウィン研究」:『もう一つの国』描かれた男たちの「もう一つの国」,『文化女子大学紀要』,pp.135-145
日本大学通信教育 英文学概説 MB S判定期末レポート
本レポートでは、マーク・トウェイン、ハリエット・ビーチャー・ストウ、
ジェイムズ・ボールドウィンの三人の作家を例に挙げ、アメリカ文学に見られ
る様々な特徴の中から1)放浪性、2)政治性あるいは社会性、3)多様性に
ついて論じる。
「放浪性」がアメリカ文学の特徴の一つとされる背景には、アメリカ人は自
らの生活環境を変えて新たな人生を掴むことを肯定的に捉える文化にあると考
えられている(開拓者の精神)。この特徴を顕著に作品で表現している作家の一
人が、19世紀にアメリカ西部を舞台とした冒険物語などを書いた小説家、マ
ーク・トウェインである。彼の生涯においても、アメリカ的とされる放浪の精
神あるいは冒険心が見て取れる。彼は父の死を期に12歳から印刷所に勤めて
いたが、彼の持つ冒険心から放浪の旅に出て、フィラデルフィア、ニューヨー
ク、ワシントン、シンシナティを巡り歩いた。さらに、22歳の時には、ミシ
シッピ河を蒸気船で下り南米へ向かおうとしたほどである。結局この計画は、
南米へ向かう途中で有名な水先案内人と出会ったことで取りやめとな...