佛教大学2016年度「教科教育法国語2」の第1設題のレポートになります。評価はB評価でした。レポート作成の参考にしていただけたらと思います。
高校一年生で学ぶ「羅生門」(芥川龍之介),高校二年生で学ぶ「山月記」(中島敦),高校三年生で学ぶ「舞姫」(森鴎外)を詳細に教材分析した上で,文学的文章教材を具体例として,高等学校三年間の国語学力形成の筋道を明らかにするとともに,高等学校の文学的文章教材の特質について説明しなさい。
1.「羅生門」について
【時代】平安時代末期
【人物造形】
下人:顔にはニキビがあり見た目は若い。作中では名前が出てくることはない。性格は主体性がなく、なかなか決断できず勇気がない様子。作中でも「盗人」か「飢え死に」かで、悩んでいる時に勇気が出ず根本的な「どうにもならないから2択で選ぶ」に何度も戻るところがうかがえる。
老婆:白髪頭で身長は低く、痩せている。下人は一目見たときに「猿だ」と感じたように皮膚はシワだらけ。真っ暗な羅生門の中で死体の髪の毛を一人で抜いていて、気味悪くただの者ではないと感じる。
【場面構成】
①羅生門と下人の説明:羅生門がある朱雀大路の状況説明。地震や辻風など、災害の影響から盗人や狐狸が住んでいているほど荒れていた。
②楼上に登る場面:羅生門の楼上に上がるはしごから、不気味な様子...