佛教大学の通信教育課程で、2016年度にA判定にて合格したリポートです。
コードは、高等学校地理歴史、中学校社会課程のQ0706です。
コードが違っても、設題が同じ場合はご参考にして頂けるかと存じます。
第2設題についてまとめております。
あくまでも、参考用としてご利用ください。
丸写し等は一切禁止されております。
十分にご注意願います。
第2設題:異文化理解の障壁となる考え方について述べよ。
1.異文化理解とは
異文化理解は、そのまま自文化を理解することにつながり、自分自身を理解することでもある。
文化摩擦という事態を例に見ると、そこでは複数の文化の違いが問題視される。一方の自明な作法や行為関連が、他方において奇怪な出来事にみえると仮定すると、両者は驚き、排他的な感情を抱く可能性がある。その時点では、異文化理解には至らない。それは、驚くことが、自分自身が意識していない自明性を捉える契機となり得るからである。異文化理解の過程はこの驚きから始まる。
文化というのは本質的に、恣意的で相対的である。これこそが異文化理解を可能とする根拠である。しかし、文化は1つの体系の内にあっては、必然的なものとして経験される。これは、言語体系と同様の特徴である。
人は誰も、国、言語、親、いかなるものも選べない状況で生まれる。反対に言えば、人間は必ず一定の文化という行動様式の体系の内に生まれ、その文化の中で成長する。子どもはその時の文化を自文化という「絶対的なもの」として受け入れ、習得した文化という差異の体系をもとに世界を様々に分節化...