「幼児理解・保育相談」の試験対策でまとめたノートです。参考にしていただければ幸いです。
① 子どもの発達理解と相談・支援の関係について
幼児期は周囲の大人に対する信頼感に支えられて自分の世界を広げ、自立した生活に向かうようになる時期である。教師と幼児の関係は温かい信頼に満ちたものにしていくことが重要である。幼稚園要領解説では、幼児の能動性という視点を重視している。単に活発な活動をしている姿だけでなく、周囲の動きを見つめたり、相手の話に聞き入ることも、幼児が能動的に周囲の環境と関わっている姿であり、そのことを受け止め理解することが求められる。また、幼児期は発達の個人差が大きい。画一的な指導ではなく、一人一人の幼児がその良さを発揮しつつ、育っていく過程を重視しなければならない。幼児期の主体性を尊重した、幼児期にふさわしい生活によって行われるべきものである。
基本的生活習慣は34歳で確立するが、できていない子に対しては、幼児に不快感を与えないよう気持ちよく応対する。幼児に話しかける時は、幼児の自己中心性を考え、話す中心を幼児の方へ置くことが大事である。平行遊びから共同遊びへ移行する場面を観察し、四歳頃から喧嘩をはじめ人間関係にも悩むことが多くなるため、保育環境を整えることが課題となる。五歳頃は良い悪いの自己判断ができるようになるので、幼児達の言うことが正しければそれを聞き入れることが必要となる。
② 育児不安をかかえる保護者の対応でのポイント
現代社会の中で、育児不安の増大が指摘されている。育児不安を抱える保護者は、単に子供の育て方がわからず悩むというだけでなく、漠然とした不安感を持って、子どもの生活を楽しんでいない状態、また、親は努力しているのに、子供の成長がうまくいっていないなど、様々な状態がある。その中で保育者は、保護者にとって子育ての中で身近にいるよき相談相手でなければならない。わが子を一番と考える保護者と、同時に複数の子どもと関わり合う保育者の立場には大きな隔たりがある。そして、当人たちの価値観や性格の違いもある。それでも、保育者と保護者の信頼関係を構築するため、日々のコミュニケーションを大切にし、一人の人間として保護者を見ていくことが必要である。
③ 保育と保育相談の関係について
保育者、教師はカウンセリングの基本的な感性や要素、姿勢を持っていたとしても、真のカウンセリングの専門家ではない。保育者、教師は臨床的な相談活動の専門家ではない、つまり相談活動に対して自分の限界を知っておかなければならない。あくまで、保育の中の子どもたちの発達や指導にともなう活動に関わる専門家ではあっても、子どもの心理的、病理的な事態に関わる相談や保護者との悩みなどの対応については、非専門家であることを自覚した上で、相談活動を進めることが大切である。逆に言えば、心構えとして特別なことを考えたり、準備せず、日頃の保育者、教師其の儘の姿勢で臨むことが求められている。気楽に、心許して、どんなことでも聞くという態度を保護者に見せるのである。ただし、相談内容は気楽に受け止めてはならない。個人の悩みを聞くということは、大変な責任の上で取り組まなければならない。