第1章
導入
ある一家の出来事
父:「ただいま〜。いや〜、今日も疲れたな〜。」
息子:「お父さん、おかえりなさい。」
娘:「、、、おかえり。」
母:「あなた、お帰りなさい。今日はいつもよりも早いわね。早く帰るなら、連絡くれれば良いのに。まだ夕飯できてないわよ〜。」
父:「それはすまなかった。じゃあ、先にお風呂に入ってくるよ。」
息子:「お父さん、お父さん!」
父:「うわぁ!どうした我が息子よ。まさか、いつもの質問か?」
息子:「うん。あのさ、今日の学校の帰り道でね、歩きながらケータイを見ていた人が、前にいたおばあちゃんにぶつかって、ケガをさせちゃったところを見たの。」
父:「歩きスマホだな。最近は、SNSや携帯ゲームアプリの発達で、ずっと携帯を見る人が増えているんだ。それがどうかしたのか?」
息子:「うん。それでね、お父さんの言う通り、歩きながらケータイを操作する人をいっぱい見るんだけど、なんでそんなにケータイを見ているのかなって思ったんだ。」
父:「う〜ん。お父さんは歩きスマホもSNSもやってないからな〜。若者の視点として、我が娘よ。なんでなんだ?」
娘:「いきなり私に振らないでくれる?今、忙しいんだけど?」
父:「忙しいって、スマホ見てるだけじゃないか。」
娘:「これはラインで友達とおしゃべりしているの。メールと違って複数の人がどんどん書き込むから、話しについていくために、常にスマホを確認しているの。」
息子:「なるほど!だからみんなケータイをずっと見ているんだね。おねえちゃん、ありがとう。」
父:「そうか、インターネットなどのIT技術の発展で情報の発信が高速にできるような社会になったからの現象なのかもな。」
母:「近年、情報社会ってよくニュース番組とかでも言うしね。それよりご飯そろそろできるわよ〜」
息子:「いろいろな調べたいことが、すぐに調べられるのは便利だよね!」
父:「だが、情報を高速に収集できるということは、プライバシー権と大きく関わってくることなんだ。」
息子:「プライバシー権って何?」
父:「憲法13条の幸福追求権から生まれた『新しい権利』のことさ!」
息子:「お父さん、何言ってるの?」
娘:「法律家を目指してたからって、意味わからないこと言わないでくれる?」
父:「それにな、便利なことだけじゃなく、悪い面もあるんだ。例えば、人物をインターネットで調べた時に、その人の悪口が書いてあって、それを見た人に勝手にそういう人だと決めつけられたら嫌だろ?」
息子:「それはイヤだな〜、ぼくの知らないところでぼくの悪口が書かれているのを見たら、すごくイヤだもん。」
父:「そうだろう。それにその悪口はインターネット上でずっと残ってしまうのがほとんどなんだ。まぁ、最近の外国では『忘れられる権利』として、その悪口を消せるような方向に向かってるし、日本でも『忘れられる権利』を認めていく流れになっているんだ。」
息子:「そうなんだ〜、なんだかすごいね。」
父:「そして、良い面もある。今年になって、日本でもマイナンバー法に基づいてマイナンバー制度が全国で開始されたろ?」
息子:「マイナンバー?なにそれ?」
父:「簡単に言うと、国民一人一人の個人情報を一つの番号で管理して、情報の煩雑をなくしていくって制度だ。」
息子:「それのどこが良い面なの?」
父:「まぁ、マイナンバーにも危険性はあるけどな。良い面というのは、、、」
母:「もう夕飯できたわよ〜、話しは一旦終わりにして、席について〜」
父:「おっと、お風呂入れなかったな。詳しい話は、夕飯の後でにしよう。な?」
息子:「うん!後でね!」
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