【第1設題】『小説神髄』の「小説の変遷」を読み、神話とロマンスの関係、ロマンスとノベルの関係について述べなさい。
【判定】A判定
【所見】とてもよくまとめられている。良いリポートである。
2016年度の設題です。
現代版の小説概論の資料をもとに作りました。
参考文献も明記してありますので、リポートの参考になればと思います!
【第一設題】『小説神髄』の「小説の変遷」を読み、神話とロマンスの関係、ロマンスとノベルの関係について述べなさい。
第一 はじめに
本論では、坪内逍遥『小説神髄』の「小説の変遷」(一)から、逍遥が説く、神話とロマンスの関係、ロマンスとノベルの関係をまとめていきたい。
一 神話とロマンスの関係
まず、神話とは一体どのようなものだろうか。広辞苑でその意味を引いてみると、第一項目に「現実世界とそれをとりまく世界の事物の起源や存在論的な意味を象徴的に説く説話。神をはじめとする超自然的存在や文化英雄による原初の創造的な出来事・行為によって展開され、社会の価値・規範とそれとの葛藤を主題にする。」(二)とある。これにより、万物の起源をたどる物語として、神話は位置づけられていることがわかる。それでは、神話はどのようにして誕生したのだろうか。『小説神髄』では、その神話の成立の過程を、小説や民間の歴史が流行した起源をたどることで説明している。
神話の基盤となる物語は、社会の源とされる上代時代、部族によって一族の歴史を口頭により伝承することで形成したとされている。未開で野蛮な上代の時代においては、東西の人種...