語用論について

閲覧数11,698
ダウンロード数21
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    今回私は、語用論について考えていきたいと思う。語用論とは、ただ単純に言葉の意味を理解するのではなく、その言葉の使われている場面や言葉を使っている人物などを考えて言葉の意味を理解することである。私は現在、日本語はもちろん、英語、中国語と三つの言語を学んでいる。中学、高校、大学と英語を学んでいるにも関わらず、実際に英語を使ってイギリス人と会話するのは大変だ。やはり、英語が母国語であるイギリス人と、第二外国語である私とでは完璧にコミュニケーションをとるのは難しい。では、日本人同士では上手くいくのかというと、そうとも限らない。同じ母国語を使って、コミュニケーションをしているにも関わらず、会話が上手くいかず、その発言をした人と、その言葉の受け手で違った解釈をしてしまうこともある。それはなぜだろうか。また、このようなケースもある。日本人がよく得意とするといわれている、最後まで発言をせずに相手に気持ちを察してもらうということがある。これは、最初の一言、二言で相手の気持ちを受け手が汲み取ってあげて、その結果最後まで言わなくても分かってあげるということである。同時に、発言した人も途中まで言ったら、相手に自分の考えを分かってくれることをたいてい期待している。これも非常に面白いことだと思う。また、同じ発言をしても、その発言者によってその言葉の与える影響が違うということもある。こういったことを考えながらすすめていきたいと思う。
    まずは、語用論の誕生の歴史について簡単に書いていく。語用論という言葉を学問名として、使うことを初めて提唱したのは、チャールズ・モリスである。モリスは、記号論の研究を行うに際して、三つの分野を考えなければいけないと考え、統語論、意味論、語用論の三分野を提案した。モリスは、それぞれの説明を以下のようにした。統語論は、記号間の相互関係の研究、意味論は記号と対象の関係の研究。語用論は、記号と解釈者の関係の研究である。この記号の部分を言葉に置き換えると考えやすい。さらに意味論と、語用論の違いを説明していこうと思う。例えば、『あし』という言葉がある。この足には、人間や動物などの下肢などの意味や、椅子のあし、交通手段として『あし』を使うことがある。しかし、この言葉をどのような場面で使っても、意味は変わらない。椅子の“あし”が折れてしまったと誰が言っても、同じ『あし』という意味になる。こちらの方は語用論ではなく、意味論である。しかし、ここでこの時、椅子のあしが折れたと、奥さんが夫に言い、その言葉に新しい椅子を買って欲しいという願望がこめられていたらどうだろうか。その椅子を買って欲しいという願望が含まれるかどうかは、その状況によって全く違う。もし、子供に話していたら買って欲しいという意味は含まないに違いない。そういったことを考える時こそまさに、語用論の出番である。さらに詳しく、語用論について例をあげながら説明していきたいと思う。
    私の妹が小さい頃の話である。母がお湯を沸かしていてのだが、雨が降ってきたため洗濯物を取り込まなくてはいけなくなった。そこで母が、妹に『洗濯物入れてくるから、ちょっとお湯を見ていてくれない?』と言った。妹はしっかりと分かったという返事をした。安心して、母が洗濯物を取り込み戻ってくると、妹は台所に立ってお湯を見ていたのだが、お湯はもう既に沸いていた。母親は『お湯を見ていてって言ったのに』と文句を言ったが、そこで思わず笑ってしまったらしい。妹に確かにお湯を見ていてと頼んだのだが、それと同時にお湯が沸いたら火を止めて欲しいという意味があった。しか

    タグ

    レポート語学語用論言語日本

    代表キーワード

    語学語用論

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    今回私は、語用論について考えていきたいと思う。語用論とは、ただ単純に言葉の意味を理解するのではなく、その言葉の使われている場面や言葉を使っている人物などを考えて言葉の意味を理解することである。私は現在、日本語はもちろん、英語、中国語と三つの言語を学んでいる。中学、高校、大学と英語を学んでいるにも関わらず、実際に英語を使ってイギリス人と会話するのは大変だ。やはり、英語が母国語であるイギリス人と、第二外国語である私とでは完璧にコミュニケーションをとるのは難しい。では、日本人同士では上手くいくのかというと、そうとも限らない。同じ母国語を使って、コミュニケーションをしているにも関わらず、会話が上手くいかず、その発言をした人と、その言葉の受け手で違った解釈をしてしまうこともある。それはなぜだろうか。また、このようなケースもある。日本人がよく得意とするといわれている、最後まで発言をせずに相手に気持ちを察してもらうということがある。これは、最初の一言、二言で相手の気持ちを受け手が汲み取ってあげて、その結果最後まで言わなくても分かってあげるということである。同時に、発言した人も途中まで言ったら、相手に...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。