消費社会の定義
消費とはものの消耗と再生をその仮の目的としながら
実は、充実した時間の消耗こそを真の目的とする行動だ
そうして、消費をこのように定義したとき、僕らははじめてそれを生産から明確に区別することができ、したがって、「消費社会」と生産優位の社会を対置して、そこに意味のある区別を立てることもできるだろう。すなわち、消費とは反対に、生産とはすべて効率主義に立つ行動であり、過程よりは目的実現を重視し、時間の消耗を節約して、最大限のものの消耗と再生をめざす行動だ、と定義することができる。
生産と消費とは、ものの消耗と再生という点では同一の構造を持つ行動であるが、消耗はその目的のために過程を完全...