日大通信 平成27-28年のリポート課題 法学分冊2合格レポートです。
日大通信 H27-28 法学分冊2
法の目的の一つである正義について、どのような考え方があるか論じなさい。
正義の意義については、古くから多くの人々によって論ぜられてきたが、これを一言で表せられるような定義は未だに見出だされていない。具体的内容において、何が正であり、何が不正であるかは時代や場所によって異なり、これを普遍的にとらえることはできない。そこで、法における正義についてのいくつかの見解を以下で論ずる。
正義についての見方として、まず形式的正義、実質的正義を挙げる。形式的正義とは、実質的な正しさの内容については一切語らず、一定のルールの存在と、そのルールの一般性や公平や適用要請を含むものである。形式的正義によって、国民の権利に対する公権力の「」意的な取り扱いを抑制し、社会生活で一定の予測可能性を確保しうるようになる。誰に対しても形式的には同等に扱うべしとする形式的正義は、正義観念の一つの重要な要素ではあるが、形式的正義を満たしたうえで、今度は何を持って等しい、等しくないとするかの実質的基準を検討する必要が生じる。そこで考えられるのが実質的正義である。実質的正義とは、各人の...