博物館レポート

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    私が見た歴史博物館―佐野市郷土博物館―
    栃木県における自由民権運動の中心地であり、またその中心人物として知られる田中正造を輩出した土地でもある佐野市は、地域に残された史料・史跡を活用して郷土の先覚者たる田中正造の軌跡を市民に示すと共に佐野市の歴史を総合的に学習できる施設として、1983年、栃木県佐野市大橋町に佐野市郷土博物館を開設した。
    展示ホール105.6㎡、常設展示室298.2㎡の広さを持つ郷土博物館には、他に毎年春・秋の二度行われる企画展示の際に使用される企画展示室(136.8㎡)、そして一面でこの博物館の中核を成す田中正造に関する展示が常設的に行われている特別展示室(100㎡)が設けられている。
    常設展示では旧石器時代の打製石器、弥生土器、古墳出土品、鎧兜、江戸時代の史料や明治以降の近代産業の歴史に至るまでを通史的に扱っているのであるが、「郷土資料館」の名に相応しく、地元「天命宿」と日光例幣使、近代の地域産業などに関する地域史料が大々的に取り扱われている。
    さて、天命宿と日光例幣使であるが、天命宿とは中世から「西の芦屋、東の天命」と並び称されたという鋳物業の盛んな町であり、御所...

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