第二次世界大戦終戦後から南北分断、2007年頃までの朝鮮半島情勢を振り返ったものです。
1.問題提起
2002年のサッカーワールドカップ日韓共同開催や、その後映画やドラマなどを中心に訪れた「韓流」ブームで、民間レベルの日韓関係は、これまでに比べてはるかに良い方向に向かっていると言われている。
しかし、その一方で、植民地時代の補償問題や、竹島(韓国名独島)の領有権問題など、韓国との政治的課題は解消されているとは言い難い。
また、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)との関係に至っては、植民地時代の補償問題を始めとして、日本人拉致問題などの政治的課題は多く、これに伴い民間レベルの対北朝鮮感情も最悪の状況にある。
もともと日本と朝鮮半島には、政治的・文化的の両方において、濃密な交流があった。しかし、1910年の韓国併合が、大きな傷跡を残すことになった。(それ以前に二国間においいて深刻な問題となったのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵にまでさかのぼる。)
1945年の植民地支配の終わりから数えて、60年以上経過した今でも大韓民国は「近くて遠い国」と言われ、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に至っては、正式な国交が存在しない。しかし、2002年の小泉純一郎首相(当時)の訪朝により、日朝国交正常化交渉が...