教育の歴史 分冊1
18世紀啓蒙時代におけるルソー(Jean-Jacques Rousseau)の果たした教育史の貢献について述べなさい。
ポイント)
18世紀とはどのような世紀であったのか理解すること。
そして、「啓蒙」とは、どのようなことを意味しているのか明らかにすること。
そして最後、ルソーの教育論について詳しく述べること。
キーワード)
18世紀、啓蒙時代、ルソー、子ども、エミール
参考文献)
教科書、「教育の歴史/教育史」226頁~230頁に記載があるので、適宜に参照のこと。
17 世紀後半から 18 世紀は、啓蒙の時代といわれている。啓蒙の「蒙」は無知で、道理に
暗いことを意味していて、「啓」は未知のものを明らかにするという意味がある。つまり、
啓蒙とは無知の状態から有知の状態になることをいう。当時のヨーロッパは封建制度が色
濃く、貴族や聖職者と庶民とで社会が階層化され、上位階層の貴族や聖職者は、裕福な暮
らしをし、庶民は重税により貧困な生活を強いられていた。啓蒙思想は、そんな不平等な
社会にメスをいれるものであった。自然科学や社会科学を教えることで、教会的世界観に
閉じ込められ「無知」であった庶民を「有知」にし、王権神授説を批判し、封建社会から
脱却しようとするものであった。
ルソー(Jean-Jacques Rousseau)は、そんな時代の啓蒙思想家の一人で、人間の持つべ
き自然的理性を説き、その理性の力をもって教会や王権による旧来の権威や特権を批判し、
旧制度を改めて新しい社会を作ろうとしていた。ルソーは、理想的な社会は人間の自然権
である自由と平等が保障されているものと考えていた。さらに、ルソーは、こうした社会
を実現するために「自然人」を社会に...