2015年日大通信の労働法・課題分冊1合格レポートです。ご参考程度に止めおきください。剽窃は厳禁です。
日本国憲法では、勤労の権利・義務(27条1項)、勤労条件の基準の法定(27条2項)、団結権・団体交渉権・団体行動権の保障(28条)という労働法の基本原則・権利が体系的に宣明されている。これらは、25条の生存権的基本権に密接に関連し、労働者の健康で文化的な生活を保障する規定である。
勤労の権利(27条1項)は、労働により生活する全ての国民が労働市場において適切な労働の機会を得られるようにしなければならないという、完全雇用が国政の重要基本方針である旨を宣言している。尤も、同項は国・地方公共団体に対し、現在及び将来の立法の方向性を示すプログラム規定だから、国民は、同項に基づき具体的な請求をすることはできないが、国・地方公共団体に対し、積極的政策義務を課し、それら義務のための立法の授権を立法府に対してなしており、実際国会は、義務の履行として職業安定法等を制定している。個別的労働関係の法規制に関する基本原則(27条2項)では、国が直接、使用者と労働者の労働条件の基準の決定に関する契約内容に介入し、その基準を法律で定める政策義務を負うことを宣明している。この政策義務に対応する...