「自我」は、意識する我であり自分の意識の中心である。人は成長と共に意識する範囲はひろがる。2歳の始め頃、内界と外界の境界の意識がはっきりと子どもの日常生活に表れてくる。これが自我の発達の第一歩である。エリクソンは、子どもは自分を取り巻く人々との関係を通して、生物が土的な成熟に基づく内的な要因と社会的な要請によって起こる発達課題を各段階に固有の心理・社会的危機器機として乗り越えながら、基本的な人格的な活力を獲得し、次第に統合した人格を形成していくとし、発達段階説に基づく人格の発達段階を示している。
子どもの自我の発達が最初に顕著に現れるのは3歳から4歳ごろの段階である。2歳児までは親への依存度が大きく、親と自分が一体化しているという認識が強いといえる。しかし、その段階を終え、幼稚園などに入園することによって、今までの1人の人間へ強く依存していたことから離れ、自立へと向かうことになる。さらに、同年代の子ども達、あるいは大人達との関係のなかから場面によって相手を選ぶことで、コミュニケーション能力を発達させていき、自分の考えを相手に認識させようとすることや、コミュニケーションを取ることで他者...