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『学力低下とは何かを明らかにし、社会階層のような社会的不平等と学力がどのような関わりをもつのかについて述べてください。』
　現代の社会的な問題として「学力低下」が取り上げられ、様々なところで耳にするようになっている。最近でいえば、ゆとり教育を受けた「ゆとり世代」に対して、そのように感じている人も大勢いる。学力低下に関する議論は昔からさまざまな形で繰り返されてきたが、今日展開されている議論は、明らかにそれらとは異なる。小堀圭一郎(2002)が指摘するように、新しい世代の学力が前の世代の学力に及ばない、縮小再生産の過程が始まったのではないかという疑念があるところに、根本的かつ深刻な問題があるのではないかと言われている。このような疑念のさらに根本にあるのは、「学ぶ」、「勉強する」ということに対する価値付けの低下であるとも言われている。このことが一部の大学では垣間見れるようになっている。かつての大学であれば、少なくとも学校教育で展開される日々の学習に適応する生徒が進学していたはずで、そうでなければ大学入試には受からなかったのである。しかし現在では、子どもの人口の減少や大学の学生の確保、大学の乱...

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