日本では国境というものがとても明確化されている。諸外国とは海で隔てられているし、話されていることばも日本語だけである。多少、アイヌ語や琉球方言なども残ってはいるが、現代では日本語の一部と考えてしまってかまわないだろう。日本は江戸時代まで、できる限り他国との関わりを禁じられた独立した国家であった。そのせいもあり、国と国との境もはっきりしている。国境が問題となってくるのは、特に陸続きの国である。例えば、中国は一つの国であってもたくさんの民族が暮らしているし、ヨーロッパでは1993年にEUが発足し、国境がかなり曖昧になってきた。さらに最近ではEuroも登場し、国と国との移動も容易になった。一体、国境とは何なのだろうか。
国境−?国と国との境。異なる国家間の境。?〔法〕国家と国家との版図を区画する境界線。国家領土主権の行われる限界。自然的国境と人為的国境とがある。(広辞苑・第5版)
広辞苑ではこのように定義されているが、実際はどうなのだろう。はるか昔からの民族間の問題もあるが、最近では世界の国際化によっても国境がなくなりつつある。特にインターネットが普及したこともあり、人々の国に対する意識はかなり薄くなった。いっそのこと、国境などなくなってしまえば良いと考えている人々もいるが、そう簡単にはいかないだろう。
まず、ことばの面から国家というものを考えてみよう。ことばは一応、国家間の目安になるが、完全にことば=国境となり得るとは言えないだろう。公用語がいくつもある国もあるし、同じ国でも地域によって話されていることばが違う国もあるからだ。
日本では国境というものがとても明確化されている。諸外国とは海で隔てられているし、話されていることばも日本語だけである。多少、アイヌ語や琉球方言なども残ってはいるが、現代では日本語の一部と考えてしまってかまわないだろう。日本は江戸時代まで、できる限り他国との関わりを禁じられた独立した国家であった。そのせいもあり、国と国との境もはっきりしている。国境が問題となってくるのは、特に陸続きの国である。例えば、中国は一つの国であってもたくさんの民族が暮らしているし、ヨーロッパでは1993年にEUが発足し、国境がかなり曖昧になってきた。さらに最近ではEuroも登場し、国と国との移動も容易になった。一体、国境とは何なのだろうか。
国境-①国と国との境。異なる国家間の境。②〔法〕国家と国家との版図を区画する境界線。国家領土主権の行われる限界。自然的国境と人為的国境とがある。(広辞苑・第5版)
広辞苑ではこのように定義されているが、実際はどうなのだろう。はるか昔からの民族間の問題もあるが、最近では世界の国際化によっても国境がなくなりつつある。特にインターネットが普及したこともあり、人々の国に対する意...