考古学入門 旧教材 分冊2 (科目コード Q20400) 旧教材
考古資料における「型式」について述べなさい。
型式とは、人工物である遺跡や遺構において物的に共通する一軍特徴によってまとめられ、分類された単位である。また、考古学科学における一種の類概念であり、考古資料のさまざまな特徴を用いて分類し、分類学位を作り出していく考古学の基本作業を型式学的研究法という。型式を構成する要素は、時間的また空間的に同質なモノ、材質、形態、技法、装飾などの他の型式と区別する無数の特徴(属性)があり、これらの条件を比較検討し、時間と空間の両軸に基づき、型式分類される。こうした分類は、資料の新旧の順序編年である「時間差」、出土した地域の「地域差」、資料がもっている機能の「機能差」に区別できる。これらの「差」について以下に述べていく。
考古学資料によって、人類の歴史を解明するには、まず「時間差」を設定しなければならない。考古学の時間尺度である編年体系は、時間の関係を示す「相対編年」と絶対的な時間的位置を示す「絶対年代」に分類できる。前者の「相対編年」は、考古学資料を層位学や民俗学などを用いて、比較...