①要約
第1節 ベンチャー企業経営論の枠組み
構造アプローチによる「四面体理論」
成功したベンチャー企業を成功したと認識された時点でケーススタディーとして取り上げ、それまでの全過程を見て、何が一番の成功要因であったかを構造的に明らかにするというアプローチで作り出された理論である。第一面・起業家、第二面・対象市場の設定と改革的切り口、第三面・経営システムにおける変革的ひねり、第四面・統合的合わせ技である。四面体理論は、第一面から第四面までが揃わなければならないと結論付け、それを正四面体になぞらえてきた。成功したベンチャー企業は、不均衡をエネルギーとしながらも、その矛盾を解決すべく均衡に向けて大きくダイナミックに変化するパワーも持っている。このような動きを名づけて「不均衡の均衡化理論」と称することとしたい。しかし、最初からバランスのとれたタイプは「エマージング型」といえるであろう。成功したベンチャー企業に四面体には、それぞれに固有の形、固有の均衡の形があり、すべてが正四面体ではない。しかし、あるレベルでの均衡形が形成されていることも事実で、それぞれの4面の大きさがどのくらいで均衡しているのかは、数量化しにくい。またベンチャー企業が、中堅企業、革新型企業へと変身していく過程で、この4面の意味とその均衡の意味が変わる可能性がある。
「成長ステージアプローチによるベンチャーマネジメント変革理論」とは、各成長ステージ別にマネジメントの内容を変える必要があり、それを明らかにするのが「成長ステージアプローチ」であり、
①要約
第1節 ベンチャー企業経営論の枠組み
構造アプローチによる「四面体理論」
成功したベンチャー企業を成功したと認識された時点でケーススタディーとして取り上げ、それまでの全過程を見て、何が一番の成功要因であったかを構造的に明らかにするというアプローチで作り出された理論である。第一面・起業家、第二面・対象市場の設定と改革的切り口、第三面・経営システムにおける変革的ひねり、第四面・統合的合わせ技である。四面体理論は、第一面から第四面までが揃わなければならないと結論付け、それを正四面体になぞらえてきた。成功したベンチャー企業は、不均衡をエネルギーとしながらも、その矛盾を解決すべく均衡に向けて大きくダイナミックに変化するパワーも持っている。このような動きを名づけて「不均衡の均衡化理論」と称することとしたい。しかし、最初からバランスのとれたタイプは「エマージング型」といえるであろう。成功したベンチャー企業に四面体には、それぞれに固有の形、固有の均衡の形があり、すべてが正四面体ではない。しかし、あるレベルでの均衡形が形成されていることも事実で、それぞれの4面の大きさがどのくらいで均衡してい...