韓非の思想と秦の始皇帝
韓非はもともと戦国時代の韓の国の公子であった。性悪説を唱えた荀子に弟子入りし、彼のもとで法家思想について学んだ後は、思想家として韓の国を強くしようと奮闘する。韓非は生まれつき口がうまく回らなかったが、それを補って余りある文才を持っていた。彼はそれによって数十巻の書物を著し、韓王に自説を説くが、彼の提案は韓の国ではことごとく退けられた。
一方でその書物を読んだ秦の始皇帝(この当時はまだ秦王であった)はいたく感激し、「これを書いた人物に会って教えを受けられたならば死んでも悔いは無い」とまで言ったという。そしてそれが韓非によるものだと知ると、秦王は韓非を得るために韓に兵を...