宗教の危険性

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    『宗教の危険性』
     『憎悪の宗教』という題は、私にとって非常に衝撃的だった。この本では、一貫してユダヤ・キリスト・イスラムという一神教は嫉妬心や怨恨の念が強く、復讐や破壊を好む「憎悪の宗教」であると主張されている。筆者はこの三宗教を「ヤオダバルトの宗教」と称し、紛争の最大の原因はこの「ヤオダバルトの宗教」であると言う。旧約聖書からカインによるアベル殺しやエサウとヤコブ兄弟の話、モーセによる出エジプトの際の神の行動、ヨブの信仰、そして新約聖書からもパウロの言葉や裏切り者とされるユダに対する態度を表す節を引用し、またタリバンによる偶像破壊やイスラム教の聖典コーランを取り上げ、事例として証明し、ユダヤ教の根本に憎悪の精神があることを明らかにしている。さらにそのユダヤ教から派生したキリスト教やイスラム教にもその精神が引き継がれているということを述べている。一般的に愛の宗教であると思われているキリスト教だが、愛の宗教の根底に旧約に由来する憎悪の精神が隠れていると言う。例えば、キリスト教の精神を最もよく示すであろう「汝の敵を愛せ」という言葉がある。わたしたちはこの言葉によって、キリスト教は敵までも...

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