『事例で学ぶ民法演習』 解答 37,38

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    資料紹介

    『事例で学ぶ民法演習』の解答です。本書は、北海道大学の教授陣による民法の演習書です。本書は、家族法を除く財産法の全てを網羅しており、旧司法試験や予備試験レベルの中文事例問題で構成されています。
     事例問題形式での民法演習書として本書の問題は完成度が高く、基本論点を総浚いするとともに、判例に則した見解で記述がなされており、現時点で、民法科目最高の問題集であります。
     充実した解答のついていない本書において、本解答は貴重なものであると思います。特に,答案を書くにあたり,受験生が苦手とする「事実の評価部分」が充実していますので、司法試験対策には非常に有用な内容に仕上がっております。
     そして、本解答は司法試験合格者に添削をしてもらった上で作成しているため、信頼できる内容になっていると考えます。 また、発展的な問題については、参考文献や参考資料を引用した上で作成もしておりますので、学習の便宜上、有意義な内容となっております。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    37 侵害利得
    〔小問1〕
    第1、Bに対する請求
     AはBに本件原料を窃取されるという権利侵害があり、Bには権利侵害について故意もある。そのためAはBに対し不法行為(709条)に基づき本件材料費500万円の損害賠償請求ができる。
    第2、Dに対する請求
    1、AはDに対し不当利得(703条)に基づいて500万円の返還を求めることができないか。以下703条の要件を満たすかどうかを検討する。
    (1)Dが本件原料を加工(246条)したことによりAは本件原料の所有権ないし回復請求権(193条)喪失という損失を被っている。
    (2)Dは、本件原料加工により、客観的価格500万円の本件原料の所有権を取得しているため、500万円の利得があるといえる。
    これに対しては、Cに支払った400万円は利得から控除するべきだという反論が考えられる。しかし、本件は「競売もしくは公の市場において、またはその物と同種の物を販売する商人から」盗品である本件原料を買い受けた場合ではないため、194条の適用は無い場面である。そのため、仮にDが本件原料を現物で所持していた場合には、代価の弁償を受けることなく本件原料を返還する必要が...

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