私は「ユダヤ文化とビジネス」の講義を受講し、ユダヤ人の教育、教養について興味を持った。ユダヤ人は迫害や差別、さらには虐殺といった悲運な歴史を送ってきた。現在でも世界中に四散しながら、彼ら独自の伝統やアイデンティティは失われることなく生き続けている。さらには少数民族であるにもかかわらず、人類の文明の進歩に多くの業績を残している。本レポートでは、世界中で生き残り様々な分野で業績を残しているユダヤ的教育とはどのようなものかについて、まとめていく。
聖書の民としてのユダヤ人の教育
現在、世界中に四散するユダヤ人がほかの民族や文化、宗教などに吸収されることなく、ユダヤ人としてのアイデンティティを失わず生き続けているのは、古代から伝わるユダヤ教の伝統の教育を子弟にしっかりと伝え維持してきたからであると考えられる。ユダヤ人にとって、「旧約聖書」は神の教えから得た、あふれるばかりの知恵や教養、教育、賢明さが収められた、知恵と教訓の書であるといえるだろう。ユダヤ民族の教育の原点は、神の教えをしっかりと子弟に伝えること、子弟の教育であり、神の教えを伝え続けることにより民族の伝統が代々受け継ぐことが可能...