『「教えることを中心とした学習指導」と「学習することを中心とした学習指導」について、それぞれの指導方法の違いをきちんと整理できています。また、評価方法についても、「目標に準拠した評価」、3つの評価区分、パフォーマンス評価、ルーブリックなどについても論じられており、当該設題にきちんと答えたものとなっています。』との所見をいただきました。
テキスト:新しい教育の方法と技術 ミネルヴァ書房
参考文献:教育の方法と技術 西之園晴夫編著
従来の知識伝達を重視した授業の設計と評価に対して主体的な学習を基本とする授業について設計と評価の特徴を比較し、その比較の視点毎にまとめて授業設計ならびに評価についての留意点を述べよ。
学習指導要領の改訂の歴史を振り返ってみると、わが国の教育には、系統主義的教育と経験主義的教育が存在することがわかる。
系統主義的教育において育成される学力は、読み・書き・計算を中心に徹底した反復練習が必要な学力や、学習指導要領で明示されている目標と内容に基づく教科等の学力で、いわゆる伝統的な学力である。従来の知識伝達を重視した授業は、この伝統的学力を重視しており、学習指導要領に準拠する教科書に支えられた非常に系統性の高いものである。順番に理解することができれば、短時間のうちにたくさんの内容を習得させられる可能性があり、国内ならどこへ転校しても学習内容が学年を越えて異なることはないという標準化の機能もある。さらに、教材研究、教授法、評価法等、教育実践に関する蓄積を全国的に共有することもできる。しかし、その一方で、ある時点である内容を理解できないと、その後の内容の習得全体に大きな影響を与えることになる危険性...