刑法事例演習教材 第二版(新版) 33

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    資料紹介

    刑法事例演習教材 第2版(新版)の解答です。事例問題形式での刑法演習書として本書の問題は完成度が高く、基本論点を網羅するとともに「考えさせられる」良問が揃っているため、現時点で,刑法科目最高の問題集であります。
    充実した解答のついていない本書において、本解答は貴重なものであると思います。特に,答案を書くにあたり,受験生が苦手とする「事実の評価部分」が充実していますので、司法試験対策には非常に有用な内容に仕上がっております。
    そして、本解答は司法試験合格者に添削をしてもらった上で作成しているため、信頼できる内容になっていると考えます。 また、発展的な問題については、参考文献や参考資料を引用した上で作成もしておりますので、学習の便宜上、有効な内容となっております。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    33
    1 Dの204号室の壁を焼損させた行為につき現住建造物放火罪(108条)の成否
     (1) 204号室は、Aが一次的に使用することがあるものの、空き部屋であって「現に人が住居に使用」しているわけではない。また、同行為時には行為者甲しかいないことから、「現に人がい」たとはいえない。もっとも、204号室は集合住宅たるDの一室である。そこで、同行為の客体をDとして一体評価し、「現に人が住居に使用」していたといえないか。延焼可能性を考慮した物理的・機能的な一体性で判断する。
       Dの各室は、各室の北側に換気口が突出しており、南側側のベランダも金属板の簡易なしきりで区切られているのみであるため、一室で火災が発生すれば、火勢が他の部屋に及ぶこともありうる構造であった。そのため、Dの各室には延焼可能性があるため、物理的・機能的に一体であるということができる。
       したがって、客体は「現に人が住居として使用」するDである。
    (2) また、甲は媒介物である灯油のかかった衣類に火をつけ、壁に投げつけて燃え移らせて「放火」し、「焼損」させている。
      そのため、同罪の構成要件に該当する。
     (3) ...

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