佛教大学通信課程のレポートを作成する際に参考になれば幸いです。
【設題】
上代、中古、中世、近世の文学の特質を、それぞれの時代の特性をふまえつつ、下記の作品を例にして具体的に説明せよ。
<古事記・万葉集・古今集・女流文学・源氏物語・平家物語・徒然草・近世小説>
添削担当者の評価を以下に示します。
【設題の把握】 十分
【テキストの理解】 十分
【評価】A
時代と文学作品との関連がよくまとめられています。
日本文学史1
上代、中古、中世、近世の文学の特性を、それぞれの特性をふまえつつ述べよ
上代の文学とは、奈良時代の文学である。それ以前は口承文学であり、語部によって口から口へと伝えられていた。それは神話や伝説、歌謡、祝詞などであり、これらは神に関わるものと、また民族の歴史をつたえるものである。それが奈良時代になって文字によって記されるいわゆる記載文学がはじまるのである。これは中国から漢字が入ってきたことにより可能になった。その漢字から万葉仮名が生まれ、それが記載文学になったのである。そしていままで口伝えであったものをまとめていったものが「古事記」「日本書紀」「風土記」などである。「古事記」と「日本書紀」は漢文体で記された歴史書であり、「風土記」は地誌である。
まず「古事記」に関して述べる。これはわが国最初の歴史書であり、和銅5年に成立した。元明天皇の勅命により稗田阿礼が覚えていたものを太安万侶が書き留めたものであり、3巻から成る。上巻は、天地創造から神武天皇が生まれるまで、中巻は神武天皇から応神天皇まで、下巻は仁徳天皇から推古天皇までとなっている。ちなみに太安万侶は、「日本書紀」の...