本稿作成者は全課程修了済です。
基本的にはテキストの内容をまとめていますが、 一部参考資料等からの抜粋、私見を含みます。
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S0105 教育心理学
第1設題
「象徴機能の発生について説明せよ(説明には子どもの行動についての具体的研究例も提示する)。また、教育との関連で大切な点を説明しなさい。」
1.認知発達の段階
子どもたちは日々の営みを通して「世界づくり」、「地図づくり」を続けていると考える。子どもたちが分かる世界は、最初はわずかで、子どもたちの地図には、わかるモノやコトが島のように点在している。しかし日々の暮らしの営みを通して少しずつ島と島の間に橋を架け、陸地をつなげて地図を創り上げていくのである。このような外界を理解する働きを認知(認識)と呼ぶが、認知の働きには感覚・知覚・記憶・思考などの知的機能全体を含んでいる。生涯発達の課程で乳児期ほど発達の変化の著しい時はないと言われる。
こうした認知機能の発達は、20世紀最大の発達心理学者と称されるピアジェによって最も体系づけられ、その包括的な理論が提唱されている。ピアジェの認知発達理論において、子どもが環境と相互作用する事を通じて、未分化で組織化されない構造から、より分化し、より体制化された認知構造へと作り上げられていく。個体と環境の関係は、始めは両者が不可...